凡事徹底

「凡事徹底」という言葉がある。
誰もがやれる簡単なことを、誰もがやらないくらい徹底的に追及すること。

誰もがやれることは簡単に想像できるし、1日2日3日とやることは簡単。
だけども3日坊主という言葉があるように、3日で飽きるか、継続できなくなる。
 
対して、石の上にも3年を最初から覚悟して臨んでおけば、そもそも3年くらい上手く行かずとも
そんなことは想定の範囲。その間もまさに、凡事徹底に費やすのみ。

今年はそういう意味でもまた、凡事徹底のさらなる見直しの冬になった。

やることはいつも決まっている。
自分が就農してからもずっと変わらない。
整理、整頓、整備、掃除はまず1年がスタートするまでにすべて終わらせる。
工具、資材、納屋、肥料、冷蔵庫、保管庫、作業機、机周りに、カタログや保証書や説明書、休憩小屋、トイレ・・
ありとあらゆる場所のまず掃除。
その次に、整理し不要なものは全て捨てる。
その次に整頓。あるべき場所に、作業の効率性を考えて順番に、誰が見ても「何がどこにあるのか」が
一目でわかるように整頓する。絶対に、ものを探す時間がないように、今やってしまう。

機械も必ずシーズンが始まるまでにできるメンテナンスはやってしまう。

結局、どんなすばらしい講演会や理想論を聞いたとしても、凡事が出来ていないとコケるところはいつも当たり前が出来ていないところからほころびが出る。講演会や、理想を掲げてはだめだと言っているわけではなく、結局10聞いてもできない9なら、5聞いてまず5を絶対にやり切ってしまおうと考える。それが出来なければ、そもそもそれさえもやりきれない自分の能力なのだからちょうどいい。

そして、シーズンが始まる前には必ず意志の疎通。
挨拶と感謝の念をもって人に接すること。
うちの農園経営は、数億円売る必要は全くない農園。そもそもそんなことは人生の目標には無いので、その方向性に進もうとは思っていない。
うちに来ていただける方々に、うちの農産物を買っていただける方々に、「またここに来てみたいな」「またここで野菜を頼みたいな」と言っていただける農園になることが目標だからです。

今年も明けてはや40日ほどが終わりました。
今でもかなり忙しい毎日ですが、それはやるべきことを見つけ、うちの農園をより良くするために忙しい毎日を自分で作って、忙しさを楽しんでいるだけです。忙しくても、毎日きれいになって行く納屋や、機械や工具類を見る方がよっぽど忙しさを上回る気持ちよさがあるからです。

これからどんどん世の中が変化し、もっともっと様々な選択肢が出来てくるんだろうなと思いますが、うちの農園は淡々と「凡事徹底」でうちの農園スタイルを歩んで行くだけです。

さあ、まだまだ雪解けまでにはやることがたくさんあります。