傾向と対策

大学受験をした時に、今でもあるだろうがいわゆる「赤本」という参考書で勉強したもの。赤本は俗称で「傾向と対策」と呼ばれる志望大学の「過去問題」が集められた本である。

この本に乗っているのはあくまで過去問題であって、この本を使って勉強する「目的」は志望大学の「傾向」を探るためであって、その年に出る問題と答えが載っているわけじゃないW

まあそんな本があれば数十万円でもバンバン売れるんだろけど・・そんな都合のいい本は売っていないのはあたり前w

あくまでも赤本に載っているのは過去問題であるので、それは過去のデータ。その過去データを膨大な量分析するにしても、傾向を探るのにしても、分析する側のソフトの能力が問われる。いくら過去データを読もうが勉強しようが、分析能力が乏しいとその時間を使うことが無駄だし、それならその時間を別の方法で使って勉強した方が結果につながる近道になる。

これは、スポーツの世界でも仕事の世界でも同じこと。

過去におけるデータは、あくまでも未来の行動を決めるための確率論と心のよりどころであって、それが必ず正解になることはまずないが、確率論からするとかなり精度が向上する。

ただし、「与えられた」情報に依存して「気づく」「感じる」ということを常に「意識」していないと、その「傾向でさえ常に変化している」ことに気付かずに過ごすことになる。

スポーツの世界でも、農業の世界でも、道具も変われば身体能力も変化して行くし、気象もトレンドもニーズも変化して行く。しかも、変化しない側のみんなと同じは、プロの世界では周りに取り込まれていずれ存在意義がなくなってしまうので、いずれご飯が食べられなくなる。外的要因「以上に」ソフト、いわゆる「内的要因」に起因する変化の方が、より日々変化する傾向への対応力の度合いは大きい。

変化の仕方は徐々に変化するも、天気予報の傾向を気象庁が見直したように、ある一定期間で段階的に見直すかはそれぞれだけど、いずれにしろ傾向の変化を見逃さないような訓練を受けておかないと、無駄な努力をする時間ばかりを使い、目標からどんどん遠ざかって行く。

世の中も変われば、自分を取り巻くハードも変化するし、自分自身も、良くも悪くも変化する。動く中で動く目標を捉えるには、変化する世の中と並走しないと本当に変化している部分は見えない。

世の中は、自分の接している僅かな人間だけじゃないことに気付かないと、その限られた社会の感覚で全ての物事が成り立っていると「思い込んで」考えてしまうし、行動してしまう。

本当の「傾向」をつかむには、限られた情報だけじゃなくて、反対意見や、自分の知らないことを自分で知ろうとしない限り、学生じゃないので「誰かが」答えを持ってきてくれるわけじゃないし、そもそも答えなんて存在しない。

にもかかわらず、いつも「誰かがもってきてくれる」自分に都合のいい、自分のできることだけに都合よく迎合していると、それが世の中の「傾向」だと勘違いして時間を過ごすことになる。

だけど現実はその全く逆で、自分に出来ないことや、自分のやりたくないこと、自分の知らないことの方向にいつも新しい「潮流」が生まれているもの。