ラグビーWCUPと地域作り

前回のラグビーWCUPに引き続き、今回も日本チームの活躍は,連日みる側を熱くさせる。ラグビーのルールを知らない人でさえあの姿には引き込まれるし、全力を尽くす姿には応援したくなるもの。

平尾誠二さんがキャプテンに外国人のマコーミックさんを起用し、世界のレベルで勝つためのフィジカルやメンタルのレベルアップを図った。

当時は、なぜ外国人をキャプテンにしたのかと批判が相次いだらしい。

しかし今、時代が変わりチームの精神的支柱の現キャプテンのリーチマイケルさん、2015年大会でjapanを躍進させた前監督のエディージョーンズさん、現監督のジェイミージョセフさんは外国人だ。

しかも、活躍している選手の中にも大勢の外国人選手がいる。

だが、ONE TEAM として ALL FOR ONE ONE FOR ALLの精神でキャプテンのリーチマイケルさんがチームを一つにまとめ上げている。

この形を成し遂げるには、きっかけがあったわけで「今までと同じ」考え方では今の形は存在しない。外国人のキャプテンを起用した平尾さんが批判をされながらも、この形の最初の1歩を踏み出したから。

なおかつ、こういう形は今後のスポーツ界のみならず、経済や地域作りにも同じようなことが当てはまり、こういう形がさらに進んでいくことは容易に想像できる。

チームや地域に必要な人材は、過去を忖度して行動する「いい子ちゃんのYESマン」

じゃなくて、「判断」できる人間だ。

前回のWCUPでも、ラストプレーでスクラムを選択して、トライを取りに行くという決断をしたのは支持をする監督じゃなくて、中にいる選手だった。

選手全員が、「今日の南アフリカならいける!」とスクラム以外の選択肢はなかったらしい。

長年その仕事をやっているから「判断」できるにんげんになるか?といえば答えはNO!である。

何故か?

地域社会において、今までを忖度できる人間が「いい人」で、「いい人」が役職に就く社会では、役職に就いたからといって判断や決断をした経験がないので、やはり決断力は皆無。だからまた、次世代に忖度させたがる。つまり、本来責任を取るべき役職の人間が責任をどうとるのかを見せることが出来ないので、そういうリーダーシップのない集団はまとまらず、目標のない場所をなんとなく過去の忖度をうろうろするばかりで前には進まない。

今後、様々な宗教観、文化や歴史認識、生活風習の異なる人たちがどんどん入ってくる時代。しかしそれはマイナスではなくて、今回のWCUPのようにいい部分も多分にある。ただ、そこに「過去に忖度しかできない人」しかいない社会では、様々な知識や経験や方法をうまく利活用できるわけがなく、さらに混乱をきたすだけ。

逆に今回のJAPANのラグビーチームのように、あれだけ国籍、生まれの違う人がいても、しっかりとしたリーダーがいればそのもとに一つになれるもの。

でもこれは、そういう経験を経た人間でない限り、どうやれば判断する人材を育てられるのか、どうやったら判断力を向上させることが出来るのか、リーダーを育成するにはどうするのかはまずできないと思う。

今までにこだわるのもよし。よそ者を排除するのもよし。だけど、老若男女問わず、国籍問わず、若い年寄り問わず、もう忖度しかできないリーダー不在の組織は崩壊して行く時代だし、責任と判断を併せ持つリーダーのもとには人が集まり、育ち、継続し続ける時代に入ったんだろうな。

テレビで見るだけではなく、実際に札幌ドームに観戦に行って外国人と話したり、一緒に応援したりしてもやはり同様のことを感じた。