右肩上がりじゃない時代

先日ラジオで面白い話をしていた。
昭和世代は、働けば右肩上がりになるという感覚でまだいる。
だけど平成に入って特に平成生まれは、働いても必ずしも
右肩上がりにはならないということをすでに知っていると。

これ、結構認識しないとダメな思考と認識だなと思った。
だからといって、平成生まれの人たちが努力をしないのか?といえば
決してそうではない。平成生まれの方がむしろセンスがいいこともある。
努力の方向性を確認してから行動できるのじゃないかと思う。

これは別に平成生まれに始まったことではない。
みんなで頑張れば右肩上がりになった、景気が良くて税収も多くいつまでも保護してもらえた、
大企業に就職してれば終身雇用で安泰だった時代にも
やっぱり頭一つ抜け出す企業や人には必ずそういう風潮には流されない
「自分なりの理念」や「経営戦略」を必ず持っていた。

それが、みんなが右肩上がりから「理念」や「戦略」がないと通用しないという本質が
浮き彫りになってきただけの話じゃないかと思う。

これは強いスポーツ選手の思考や、営業成績の良い営業マンなども全く同じ。
そういう人たちは必ずゴールに必要なものは何か?をまず明確化し、期限を設けて
行動するし、今やるべきことを決して先送りしない。
先送りしたところで解決するのは自分だし、自分がやるべきことを先送りして挙句の果てに
自分の本来やるべきことを次世代に背負わせても、そういう人は次世代から支持されなくなる。

今やるべきことは今完結させたうえでなお、次世代の企業の形や人のための準備をしてきたか否かの差が、そのまま地域差や、企業なら次世代が就職したいかそこで働きたいかという差に出始めたんだと思う。

つまり人がいなくなる産業や地域でも決してそれは全てではなく、人が来る場所や産業、地域はある。
そういうところは「戦略」があるので、なんとなくみんなと右肩上がりではなく、
「戦略的右肩上がり」を意図的に、長期的に見込んで投資をしている。
そしてその戦略を示し、未来を共有できる人がそこに集まる。

もう平成生まれといっても、30代を迎えるのでこれからは企業の中核を担う世代。
「どの方向性に」「どれくらいの努力をする」というゴール設定を示せないとまさに
このセンスの良い世代には相手にされなくなってゆくだろうなと感じる。